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節祭(シチィ)~オホホ・フダチミ・マユンガナシィ~

場所:西表島ほか
時期:旧暦9月~11月頃
農作物の収穫を感謝し、村人の無病息災と翌年の豊作を祈願する節変わりの正月行事。

西表島の祖納と干立、両地区の節祭は500年の歴史があるとされ、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。旧暦9月か、10月の己亥を吉日と定めて3日間行われ、2日目がメインの日で奉納芸能が催される。

祖納は前泊浜、干立は前の浜で、五穀豊穣をもたらす神を迎える神事「ユークイ(世乞い)」、「船漕ぎ競争」、「ヤフヌ手」、「棒術」、「獅子舞」、「ミリク(ミルク・弥勒)行列」などが行われる。

祖納では、船漕ぎは2回行われ、1回目は「世=豊作」を乞う祈願で、2回目が競技になる。棒術やミリク行列に続くのが、祖納の節祭の特徴でもある「アンガー行列」。黒い衣装にクバ笠をかぶり、その上から黒い布をかぶった「フダチミ」と呼ばれる女性を中心とした行列で、昔異国に連れ去られた娘が島に帰ってきた時に村人と顔を合わすのを嫌がり、黒い布で顔を隠したのが始まりともいわれている。

干立の船漕ぎも祖納と同じ要領で行われる。干立の節祭に現われるのがユーモラスな「オホホ」。オホホと呼ばれる道化がミリク行列の最中に出てきて、「オホホホホ」という奇声を発しながらお金を見せてミリクの子や観客らを誘うが誰にも相手にされずに寂しく帰っていく。これには、外国人が金で子供を買おうとしているとか、子供のいない金持ちのオホホがミリクの子を金で買おうとしているなどの説がある。

石垣島川平の節祭には来訪神「マユンガナシィ」が出現する。顔を手拭いで覆い、クバ笠・蓑をつけたマユンガナシィが家々を訪れ、翌年の豊作と家族の健康、牛馬の繁盛を約束し、農作の心得を説き教える。この行事は写真撮影が禁止されている。

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